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2024.8.4説教要約 ローマ 12:9-21「迫害者のために祈る」

1939年、宗教団体法によって半ば強引に国内のプロテスタント教会は「日本基督教団」として統合されました。これによって信仰の一致がもたらされたかと言えば、そうではありませんでした。支配者の常套手段として、組織の内部に分裂の種を蒔くことを、国は忘れませんでした。1942年、一部の教派的背景を持つグループ(ホーリネス等)を一斉検挙することで、教団内において互いに不信感を募らせ、疎み合うように仕向けたのです。

 パウロの時代のローマ教会にも分裂の危機が迫っていました。教会内のユダヤ的背景を持つグループと、異邦人グループとの間には信仰における考え方の違いがありました。おそらく、当時の新興勢力であったキリスト教の勢いを恐れたユダヤ教の人々やローマ帝国は、この対立が深化するように働きかけていたことでしょう。

 パウロは手紙の中で繰り返し和解への道を提示します。それは敵を排除したり、相手の不幸を祈ることではなく、敢えてその人と悲しみを共にし、喜びを共にしようとする道でした。イエスさまは、自分を十字架につけようとする人たちのために神さまに赦しを請う祈りをささげ、わたしたちの痛みを共に背負うために地上に来て、死んでくださいました。これによって、わたしたちの頭には罪を清める火種が灯り、焼き尽くされて、新たな命に生きる者へと変えられたのです。わたしたちも同じように、善をもって悪に勝つことができたらと願うのです。

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