top of page

2024.12.29説教要約 ルカ 2:28-35「新しく始まる命」

 人によっては、地上で生きる日々は苦しみと虚しさに満ち、いっそ死んだ方がましだとさえ思えるときもあるかもしれません。シメオンは幼いイエスさまと出会い「今こそ安らかに世を去ることができる」と喜びました。シメオンは年を重ねて生きなければならないことに疲れを感じていたから、去ることを喜んだのでしょうか。

30節に「この目で救いを見たからです」とあります。救いを見た。だからこそ、安らかに去ることができるとシメオンは喜ぶのです。しかし、この救いとは単純に困難な状況が改善したり、問題が解決に導かれるといった対処療法的なものではありませんでした。むしろ、イエスさまによって人は躓いたり、転んだり、刺し貫かれたりもすることになるのです。これは、わたしたちの心にある思いがあらわにされるためでした。

たとえマリアとヨセフのように律法の規定通りに生きようとしても、シメオンのように正しい人で信仰に篤いと言われてみても、わたしたちの心の奥底には、誰にも言えないような自分勝手な思いが隠されているのではないでしょうか。その罪の姿が十字架を前にして明らかなものとされるのです。

そして、神さまはそういうわたしたちをそのままにはしておかれません。倒した者は立ち上がらせることがおできになる方は、古い自分に生きるわたしたちを去らせて、他者に仕える新たな命に生きる者へとよみがえらせてくださるのです。

最新記事

すべて表示

2025.1.12説教要約 ルカ 17:11-19 「いやされた人」 

重い皮膚病を患っている十人に、イエスさまは「祭司たちのところへ行って、体を見せなさい」と言います。当時は、このような病気にかかって治ったとしても、祭司たちがそれを確認し許可しなければコミュニティーに帰ることはできない決まりになっていました。十人は、自分の体が治るのを待たずに...

2025.1.5説教要約 ヨハネ 16:16-24 「イエスを見る」

イエスさまは弟子たちに「しばらくするとあなた方はわたしを見なくなるが、またしばらくすると、わたしを見るようになる。」と言いました。これは、イエスさまの復活について言っているのでしょうか。それとも、再臨についてでしょうか。...

2024.12.22説教要約 ルカ 2:1-7 「聖なる静寂」 

ローマ皇帝アウグストゥスの住民登録の勅令は、人頭税を徴収することが目的だったと言われています。人々は故郷の町へと旅をするためにてんやわんやの大騒ぎ。貧しい民は更に搾り取られ、ユダヤでは反乱の気運も高まっていきました。 そんな混沌とした世情の裏側で、ひっそりと生まれたのがイエ...

Comments


0266-62-2205 (FAX同)

日本、〒399-0211 長野県諏訪郡富士見町富士見3679

©2019 by 日本基督教団 富士見高原教会. Proudly created with Wix.com

bottom of page