王さまの命令でたくさんの命が奪われていく中で、一人の男の子が籠に入れられ、隠されました。何とか生き延びてほしいと母親が強く願ってそうしたのです。その籠を王女がみつけます。王女は風前のともしびとなったこの命を憐れみ、自分の子として育てようとします。しかし、どのようにして育てればいいのでしょうか。物陰から見守っていた少女が、王女のもとに走り寄り言いました。「わたしが乳母を探してきます」。そうして推挙されたのは、この少女の母親であり、男の子の本当のお母さんでした。こうしてモーセと名付けられた男の子は家族のもとで大切に守られて育っていくことになりました。
不思議な物語です。何人もの人がモーセに関わり、助けて、命を救ったのです。そこには直接は描かれていませんでしたが、きっと神さまのご計画があったのでしょう。大人になったモーセは、エジプトから神さまの民を導き出すという役目を負うことになります。そのように用いられるモーセだからこそ、神さまは様々な手を使ってその命を守ったのでしょう。
わたしたちが今日生きていることにも同じように神さまのご計画があるのかもしれません。たくさんの人たちに支えられ、守られてわたしたちの命はここにあります。それは、今日なのか、数十年後なのかわかりませんが、神さまがわたしたちを用いようとして大切に見守り続けてくださっているからなのではないでしょうか。
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