top of page

2024.4.7説教要約 ローマ 7:1-6「霊に従う生き方」

 旧約聖書の歴史は、神さまと人、人と人とのすれ違いの歴史だったとも言えます。わたしたちは自己神格化、自己正当化の罪の末に、互いに通じ合えずに苦しむこととなったのです。特に、知恵の木の実から得た言語や文字は、それらを巧みに用いようとすればするほど、わたしたちの心の奥にある「思い」を覆い隠してしまいました。

 イエスさまは、律法を否定しようとされたのではなく、「神さまの思いはどこにあるのか」ということを伝えようとしておられたのではないでしょうか。そして、最終的にはその身を十字架の上で捧げることによって、神さまの思いが「愛」であることをお示しになりました(5:8)。

 聖書もまた文字によって書かれているために、残念ながら解釈の違いから教会は分裂を繰り返してきました。しかし、わたしたちが共有できる唯一の接点は、十字架に示された「神さまの愛」であるはずです。そこから、発せられる霊の力によって、わたしたちはもう一度つながりを取り戻していくことができるのではないでしょうか。

 パウロが「兄弟たち」と呼びかけるとき、それはローマ教会のユダヤ人キリスト者を指しているように読めますが、同じように「文字に従う古い生き方」に囚われていたわたしたちにも呼びかけているのではないでしょうか。わたしたちもまた、霊(愛)に従う生き方で他者に仕えるようにと勧められているのです。

 

 

最新記事

すべて表示

2024.11.17説教要約 ローマ 16:1-21 「従順の上に」

パウロはひとつの警告すべき事柄について述べています。それは、教会に不和やつまずきをもたらす人々についてでした。パウロはこの手紙の中で、分裂しそうになっている教会に和解の道を示そうとしていたはずではなかったでしょうか。しかし、ユダヤ人キリスト者も異邦人キリスト者も、自分の信念...

2024.11.10説教要約 ルカ 9:28-36 「これはわたしの子」

イエスさまこれからエルサレムに向い、そこで「多くの苦しみを受け、殺され、三日目に復活する」ことを予告しました。この話をした後、イエスさまと弟子たちが山に登って祈っていると、イエスさまの顔が変わり、衣が輝き始めました。弟子たちが見ると、二人の人がイエスさまと語り合っていました...

2024.11.3説教要約 コロサイ 2:20-3:4 「キリストと共に」

パウロは読者に対して、「あなたがたは死んだ」「復活した」と、それがまるで既に起こったことのように言います。彼独特の表現です。彼は終末におけるキリスト再臨の約束が確かなものだと信じているので、死や復活などの未来の出来事が今まさに身に起こっている出来事として受け止めているのです...

Comments


bottom of page