説教要約 マタイ26:47-56 2023.8.6
「友よ」 井上創牧師
伝道とは、「神から愛されていると信じているわたしがどう生きるか」という道を伝えることです。イエスさまは最後の伝道の相手として、自分の理解が及ばない熱狂への違和感からそれを排除しようとする「群衆」、商売敵であり教義的にも敵対している「祭司長たち」、そして一度信じたものに疑いを抱いてしまった「ユダ」を選びました。現代の教会もまた、こういった人たちを相手に伝道をしていこうとするときに、「どう生きるか」という自分たちの在り方が問われてくるのでしょう。
イエスさまは自分を捕縛し害そうとするユダを「友」と呼びました。ヨハネによる福音書15章13節に「人がその友のために命を捨てること、これよりも大きな愛はない」と書かれています。敢えてユダを「友」と呼んだのは、「あなたのために死のう」というイエスさまの意思表示だったのではないでしょうか。また、ヨハネの同じ箇所でイエスさまは「わたしの命じることを行うなら、あなたがたはわたしの友である」とも言いました。ユダへの「友よ」という呼びかけは「あなたもこのように愛に生きて欲しい」という願いでもあるのではないでしょうか。
わたしたちは伝道をする際に、どれだけの人に届いたか、どれだけの人が応えてくれたかということを成果として求めがちです。しかし、伝道の成果とは、道を伝えようとするわたしたち自身がどれだけ「友」のために生きたかと、自分自身の信仰の姿勢を問うことで見えてくるものなのではないでしょうか。
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