説教要約 マタイ26:26-35 2023.7.16
「罪人の集い」 井上創牧師
「あなたがたは皆わたしにつまずく」。弟子たちは、迫り来る刑罰や死が恐ろしくなって逃げてしまうわけではありません。イエスさまにつまずいたのです。「羊飼いが打たれると、羊の群れは散る」。信頼に値する羊飼いが打たれ、自分たちを守り導く指導者が倒れたとき、羊たちは拠り所を失い逃げ出してしまうのです。つまり弟子たちは、捕らえられ引かれていく師を見て、「これに付いていってもだめだ」「信じるに値しない」と見限ったということなのです。「イエスさまを知らないと言う」とは、この方をメシアと告白できなくなるということなのでしょう。
イエスさまはそのような弟子たちの弱さを承知で共に食卓を囲まれました。その輪の中にはユダさえも同席していたのです。わたしたちが大事にしている聖餐式のもととなった最後の晩餐は、聖なる者として招かれた人々の集いであると同時に、そのような罪人たちが集められたものでもあるのです。
つまずくことになる弟子たちにイエスさまは一つの約束をします。それは、「わたしは復活した後、あなた方より先にガリラヤに行く」というものでした。ガリラヤはイエスさまが力を注いで伝道し、数々の癒しの奇跡を行われた場所です。真っ直ぐな告白を保てない羊たちは、かつてイエスさまが働いておられたその現場に自分たちも赴くことで、そこで再び愛する主に会うことができるのです。御言葉が実現することを信じ、わたしたちもそれぞれのガリラヤへと向かっていきましょう。
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