top of page

2023.12.10説教要約 ルカ 1:26-38「お言葉どおり成りますように」

            

神さまのわざが自分に及ぶことを恐れ、その要求を素直に受け止めることができないマリアの姿は、旧約のモーセの召命にも重なるように思えます。しかし、果たして天使はマリアに、御子の誕生のための器となることを求めているのでしょうか。そして、マリアはそのようにして用いられることに対して「お言葉どおりこの身に成りますように」と答えているのでしょうか。


天使が最初に言った「おめでとう」とは、原語においては「喜べ!」という意味になります。驚きのあまり、喜ぶことのできないマリアに天使は、「恐れることはない」「あなたは恵みをいただいた」「その子は偉大な人になり・・・」と、これから起こることがいかに喜ばしいことであるかを説くのです。最終的にマリアは、自分の身に何が起こるのか理解も、納得もしていないのかもしれません。それでも、わからないままに神さまのわざを喜ぶことができるようにと、「お言葉どおり成りますように」との結論に至るのです。


マリアがそこに至ったのは、天使の「聖霊」のお告げを聞いたからかもしれません。聖霊はわたしたちをつなぎ止め、導き、関係を豊かにしていきます。自分と同じ境遇に身を置いているエリサベトの存在が、聖霊によってより強く示されたことで、マリアを励まし勇気づけたのではないでしょうか。わたしたちにもまた神さまのみわざが及ぶことがあるでしょう。その際には、この聖霊の力に委ねていくことができたらと願うのです。

最新記事

すべて表示

2024.11.3説教要約 コロサイ 2:20-3:4 「キリストと共に」

パウロは読者に対して、「あなたがたは死んだ」「復活した」と、それがまるで既に起こったことのように言います。彼独特の表現です。彼は終末におけるキリスト再臨の約束が確かなものだと信じているので、死や復活などの未来の出来事が今まさに身に起こっている出来事として受け止めているのです...

2024.10.27説教要約 フィリピ 1:12-30「キリストにある生」永瀬克彦牧師(上諏訪教会)

「いつも喜んでいなさい」(Iテサ5:16)。パウロはまさにこの姿を体現しています。パウロは獄中からフィリピの信徒に向けて手紙を書いています。普通であれば、「助けてほしい」「励ましてほしい」と書くでしょう。しかし、パウロは反対にフィリピの人たちを励ましています。辛いのをぐっと...

2024.10.20説教要約 ローマ 15:22-33「祈り合う者たち」

一説では、パウロはいわゆる第三次宣教旅行の際にコリントに立ち寄り、そこでローマの信徒への手紙を書いたと考えられています。そこから、まずはエルサレムへと向い、マケドニア州やアカイア州で集めた募金を届け、やがてローマの教会の人々に会うときには、「キリストの祝福をあふれるほど持っ...

Comments


bottom of page