説教要約 出エ4:10-17 ローマ8:26-28 2023.11.26
「代わって語る者」 井上創牧師
モーセは、実際に口下手だったのかもしれませんが、もしかしたら自分に自信がなかったため、あれこれと言い訳をしているのかもしれません。わたしたちも神さまから呼びかけられ、それぞれの現場へと遣わされていますが、その使命の重さに恐れを抱くこともあるでしょう。「あれがない」「これが足りない」と断るモーセに、神さまは辛抱強く呼びかけ続けます。
語ることが苦手だというモーセに、神さまは「共にいる」と励ましの言葉をかけます。しかし、モーセはそれでも「行く」とは言いません。旧約の昔から神さまは人に「わたしはあなたと共にいる」と語りかけ続けていました。それをどうしても信じ切れないわたしたち人間の姿がモーセを通して描かれています。
遂にはモーセに怒り出す神さま。しかし、怒ったまま終わりにしないのが神さまです。神さまはモーセに「代わって語る者」としてアロンをお与えになりました。それでは、わたしたちに与えられているものとは何でしょうか。それは聖霊です。聖霊はわたしたちに代わって、自分でもわからないような心の奥深くのうめきを神さまに執り成してくれるのです。
本当は自信がないモーセが心の奥で望んでいたことは、「代わりに語る者」ではなく、「共に行く誰か」でもあったのかもしれません。モーセにはアロンが与えられ、わたしたちには御子が与えられました。インマヌエルの主がわたしたちと「共に行って」くださいます。これほどに心強いことがあるでしょうか。
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