説教要約 ローマ15:1-6 2022.3.20
「希望を持つ者」 井上創牧師
「伝道」とは道を伝えると書きます。茶道然り、柔道然り。道とは、単なる作法や所作、技術を超えて、それを習得した者の生き様や在り様を意味しているのではないでしょうか。伝道とはつまり、キリスト者がその生き方を通してキリストとはどのようなお方であるのかを伝えていくということなのでしょう。
ただし、わたしたちが伝道の機会を求めて世に出て行く時に、「自分が相手に何かしらのよいものを与えることができる」と思い込むことのないようにしたいものです。そもそも、わたしたちは他者と全く同じ時代、同じ場所、同じ状況で、同じ体験をすることはできません。それなのに、悲しみの中にある人に「どうしたらいいか」「どうすべきでないか」などと物知り顔でアドバイスめいたことを言うことができるでしょうか。
パウロは律法によって救われると信じている人たちを信仰の弱い者と呼び、その人たちをも神さまは招かれていると言いました。そして、キリストによって救われると信じている強い者たちは、頑なに自分の思いを握りしめる弱い者たちを担っていくべきだと勧めるのです。注意をしたり、改心を促したり、助言をしたりするのではなく、わたしたちは互いを担い合い、共に耐え忍ぶキリストの道を選ぶことができたらと願うのです。聖書の登場人物を通して、あるいは自分自身の体験を通して、主が共にいてくださるという慰めが、わたしたちの希望となります。諦めずに、希望をもって祈り続けていきましょう。
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