説教要約 黙示録22:12-17 2022.10.23
「終わりの時」 井上創牧師
旧約の時代から、人々はこの世界に終わりが訪れることを信じていました。ただし、それは人々の心の中に不安を招くような恐ろしい出来事を伴うのだと宣べ伝えられていました。ヨハネはこの「終わりの時」について、不思議な表現を用いてわたしたちに何かを伝えようとしています。
14節に登場した「命の木」は、創世記2章9節に出てきたものと同じ木です。わたしたち人間は死に至る木の実を食べてしまった結果、この命の木へと至る道を失ってしまっていたのです。しかし、終わりの時に際して神さまは地上にイエス・キリストを送ってくださいました。キリストはわたしたち人間の全ての罪を背負い、命へと至る道を切り開いてくださいました。
終わりの時を告げる黙示録の最後の箇所に、天地創造の始まりの物語を思い出させることで、ヨハネはキリストによる救いが最初から約束されていたことをわたしたちに気が付かせようとしているのではないでしょうか。「世の初めからあった言が肉となった」。わたしたちの世界はキリストの救いの出来事で完成するのです。だからわたしたちは安心していていいのです。
この救いを知ったわたしたちの内からは、永遠の命に至る泉の水がわき出ます(ヨハネ福音書4章)。それは世にあって渇いた人々を潤すことになるのです。終わりの時を歩む教会は、世の人々を潤す泉としての役割を担うようにと招かれた者の群れなのです。
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