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2021.9.5 説教要約 マタイ12:38-42 「たった一つのしるし」

説教要約 マタイ12:38-42         2021.9.5

「たった一つのしるし」       井上創牧師


イエスさまを疑い、陥れようと企む者たちは「しるし」即ち証拠を求めました。ここで求められている「しるし」は人智を超えるような、自然の法則に反するような、いわゆる奇跡の出来事でしょう。しかし、イエスさまはそういう、現実を遠く飛び越えるような奇跡を起こそうとはなさいませんでした。そして、「しるし」はヨナのしるしだけであると言うのです。


ヨナは大魚の腹の中で三日三晩を祈りの内に過ごしました。そこは闇と死の世界でした。イエスさまはご自身もまた、死へと向かわれていること。そして、誰もが至る、全ての人が体験する現実であるこの死の内にこそ「しるし」が与えられると言うのです。


今日の聖書の後半部分。ヨナとニネベの人々、ソロモンと女王の関係は、助ける人と助けられる人の関係に置き換えられるかもしれません。イエスさまは多くの人を癒し、助けましたが、それを誇ることなく、最後は十字架の上で、誰かに助けてもらわなければならない存在になりました。


ヨナが闇の中で何もすることができずに祈ったように、死に際して無力になる。そこに神さまの愛の力が臨むのではないでしょうか。誰かに何かをしてもらう存在になる。委ね、してもらうことに感謝をもって接する。「ありがとう」を通して、そこに愛が流れるのです。十字架のイエスさま。そこにわたしたちに示された「しるし」があります。

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