説教要約 マルコ16:1-7
「そこでお目にかかれる」 井上創牧師
「信仰と希望と愛、最も大いなるものは愛である。」
イエスさまが十字架で死んだ後、弟子たちはそれまで追いかけてきた背中を見失い、自分たちがこれからどうしていったらいいのかわからなくなってしまいました。イエスさまと一緒にいればどこにでもいけるという希望を無くしてしまったのです。女性たちは遺体に塗るための油を買って墓地に向かいます。イエスさまが復活するとは全く想像もしていないからです。
イエスさまが復活したと聞いた女性たちは、しかし喜ぶどころか、恐ろしくなって逃げ帰ってしまいました。ガリラヤでお目にかかれると言われていたことを思い出したかもしれません。しかし、それを信じることができず、「知らせるように」と言われていたのに「誰にも話さなかった」のです。
この希望も信仰も失われた状況の中で、小さな愛が描かれています。それは、女性たちが油を塗ろうとしたということです。自分たちにはもうどうすることもできない失望感の中で。イエスさまが生前言っていたことさえ信じられない恐れの中で、それでも自分たちの大切な人のために何かしたいという思い。
閉じられた福音書の中から、最後まで残った小さな愛が叫ぶのです。ガリラヤでイエスさまが何に心を痛めて、どんなことをされたのか。信仰も希望も失われたとしても、この声を聞くとき、わたしたちもイエスさまと同じところへと誘われていくのです。小さな愛の種を蒔き続けたイエスさまのところへと。
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