説教要約 マタイ14:22-36 2021.11.7
「主よ、助けてください」 井上創牧師
わたしたちは自分の想像や常識の範囲を大きく超える出来事に遭遇したとき、超常の力、神的・天的な存在に触れたとき、恐れを抱くのではないでしょうか。
水の上を歩いてくる人影を見たとき、弟子たちはまず恐れに取り憑かれます。しかし、「恐れるな」という言葉を通して、それがイエスさまであるとわかります。わたしたちもこの「安心しなさい、わたしだ」という声を聞いて、確かに信仰を与えられたはずだったのではないでしょうか。そして、ペトロのように「あなたのところへ行かせてください」と祈るようになったはずなのです。
ところが突然ペトロは強い風に煽られて、再び恐怖を覚えます。この決心は偽りではないのですが、肉体はなお弱さの中にあります。痛みや、孤独、不条理によって、わたしたちはたやすく道を見失ってしまうのでしょう。まして、死を前にしたとき、わたしたちは大きくうろたえてしまうのではないでしょうか。
沈みそうになるペトロにイエスさまは手を差し伸べて助けてくださいます。「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」。これは、「信じられないなら、もう知らん」と、わたしたちを叱りつける言葉なのでしょうか。イエスさまは、最後まで信じ切ることのできないわたしたちを、しかし見捨てはしなかったのです。「主よ、助けてください」わたしたちが叫ぶなら、必ず救い、平安を与えてくださるのです。
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