説教要約 マタイ13:44-52 2021.10.17
「埋もれた宝」 井上創牧師
イエスさまの時代、つまり旧約聖書の世界に生きる人々にとって、天と地は隔絶されたものでした。この隔たりを人は超えられないと考えられていたのです。
しかし、イエスさまは宣教の始めに言いました。「天の国は近づいた」と。このメッセージはそれまでの常識や概念を覆す革新的で、破戒的なものであったことでしょう。更に、実際にイエスさまは死と復活、昇天をもって、死と生の壁を打ち破り、天と地との間に道を作ってくださいました。「わたしは道であり、門である。ここを通って行きなさい」と言われているのは、このように天と地を結んでくださったイエスさまの後を辿りなさいということなのでしょう。
畑の宝を埋めたのは、発見した農夫ではありません。真珠も商人ではなく自然が作り出したものです。どちらも自分で築き上げた財産ではないのです。魚もまた、自分で善いものや悪いものになることはできません。天の国の方から、神さまの方から近づいてきてくれなければ、わたしたちは何も手にすることはできないのです。だからこそ、神の子であるイエスさまは天から降り、わたしたちに会いに来てくださいました。
倉から取り出される「新しいものと古いもの」とは、旧新約聖書に収められている御言葉の数々であろうと思われます。天の国が近づいてきてくれていることを知ったわたしたちは、その豊かな宝を携えて世に出て行き、たくさんの人たちとその喜びを分かち合っていくことができたらと願うのです。
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