説教要約 マタイ13:31-35 2021.10.10
「膨らむ天の国」 井上創牧師
イエスさまの時代、小さな種が大きな木に育つことや、ほんの少しのパン種を混ぜただけで生地が膨らむことは、原因不明の不思議な出来事でした。そして、そういったわからない出来事の中に、人々は神さまの力が働いていると信じていたのでしょう。現代を生きるわたしたちは、科学の力にも助けられて、いろいろなことがわかるようになってきましたが、反面その知恵が心を曇らせて、神さまの力が見えにくくなってしまってはいないでしょうか。
イエスさまは、天地創造の始めからこの世界で働いている神さまの力がわたしたちの目に見えなくなっていることに気づかせようとしてくださっているのでしょう。信仰の目で見て、どんな小さな不思議にも心を動かすことができるなら、そこから世界のあちこちに散りばめられた不思議に気が付いていくことでしょう。そうして世界の全てを、心を込めて造られた神さまの愛を知ることになるのです。
ルカ福音書において、イエスさまは神の国(天の国)は「あなたがたの間にある」と言っておられます。これは、人と人、神さまと人との間、すなわち関係性の中に、御心が現れてくるのだと言っておられるのでしょう。わたしとあなたの間。そこに神さまの愛の霊が働いてくださると信じるとき、天の国はそこにあるのです。そうやって小さな一人と一人の関係からどんどんと膨らんでいく関係によって結ばれたものが教会なのです。
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