説教要約 Ⅰコリ15:12-22 2020.9.6
「あなたにとってイエスとは?」 井上創牧師
使徒信条は作者が不明で、「自分たちはこうでなければならない」という基準を定めるためだけに作ったものではありません。わたしたちが何を信じているかを言い表しつつも、「わたしたちは何故信じているのか」ということも表しているのです。そこには、自分の信仰体験の告白としての側面が現われてきます。わたしの内にある信仰とはこういうものですという個人個人の告白が凝縮されたものが使徒信条なのです。
旧約聖書のヨシュア記のシケム契約は、信仰共同体が発足した時の様子です。ヨシュアという人が、「わたしはこう信じる」と宣言すると、他の部族の人たちも、「わたしもそう信じる」とこれに応じていくのです。「このように信じなさい」ではないのです。「わたしはこう信じるがいかがか」と問いかけ、人々が「アーメン、その通りだ」とそれに応えている。ヨシュアの信仰体験の告白ではあるけれども、それが民族としての総意となっていく。これが信仰告白の最も古い形の一つなのです。
わたしたちも各々、イエスさまに招かれ、神さまと出会い、聖霊を与えられたのです。そこには違いがあり、決して一つの結論へと結び合わせることはできません。何を信じるかと、枠にはめられてしまえば、どうしてもはみ出してしまう部分が出てくるのです。単に基準でしかないならば、一緒に信仰の告白などできません。だから、わたしたちは心の隅にでも、「何故信じているのか」という問いを置いておけたらと思うのです。
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