説教要約 ローマ15:1-6 2020.11.8
「強い者」 井上創牧師
イエスさまは、全知全能なる神さまであるのにわざわざ人間となってくださいました。高みにいるのではなく、低いところへ降りてくるのがわたしたちの神さまです。このイエスさまに倣っていくこと。これは教会のチャレンジの一つです。数の多い者が力を持ち、理屈が通った意見が尊重され、声の大きさで物事が決まる。そういう議会制民主主義の限界の中で、「小さな者、弱い者の有り様を認めて受け入れていく」「歩みのゆっくりな人に合せる」。これが、パウロの示す「新しい群れの姿」なのではないでしょうか。
しかし、わたしたちは必ずしも「強い者」ではありません。自分の弱さや至らなさを感じているのではないでしょうか。パウロもまた弱さを抱えた人だったことが、彼の書いた手紙からもわかります。その彼が自分を強いと言うのはどういうことでしょうか。
パウロは言います。「強いのは神さま」であると。その強い神さまが弱いわたしの隣にいてくださる。それを知っているわたしたちだからこそ、それがどれほど険しい道であったとしても「主と共に歩める強さ」を手に入れることができるのではないでしょうか。
十字架という、死の手前にまで打ち砕かれた、その弱さの中に表わされている強さ。その他者に寄り添う強さによってこそ、教会は強く立てられていくのではないでしょうか。
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