top of page

2020.10.4 説教要約 使徒27:33-38「困難な船旅」

説教要約 使徒27:33-38

「困難な船旅」          井上創牧師


ローマでの宣教を夢見ていたパウロは、ついにローマへと旅立つことになります。この航路はしかし、予定していたものとは全く違うものになってしまいました。度々、風によって行く手を阻まれていた船は、ついには暴風に見舞われ航行不能になってしまいます。人間が望み、進もうとする方とは違う道を示すこの風は、神さまの聖霊の姿なのかもしれません。


船出から3日、人々は食事も取れずにいました。パウロはしかしその嵐の中で天の御使いの声を聞きます。「あなたたにが頼みとしてきたこの船は失われてしまう。しかし、命を失う者は誰もいない」。パウロはそれをみんなに伝えて、繰り返し言うのです。「だから元気を出しなさい」と。嵐の中を進む教会もまた、「あなたは命を得る。元気を出しなさい」という御言葉の励ましを聞きながら進んでいくのでしょう。


14日目、陸地に近づいたことを知った人々は、散り散りに陸地を目指そうとします。パウロはそれを押し止めて、「困難な時だからこそみんなで一緒にいなければ」と、不安のため、何も食べられずにいた一同に食事を勧めるのです。「パンをとって、感謝の祈りをささげて、裂いて食べ始めた」と書かれています。パウロの姿がイエスさまと重なります。


聖餐式にはいろいろな由来や意味があります。わたしたちの信仰を養うための、ほっと一休みして囲む食卓。これも聖餐式のひとつの由来でもあるのではないでしょうか。



最新記事

すべて表示

2024.11.17説教要約 ローマ 16:1-21 「従順の上に」

パウロはひとつの警告すべき事柄について述べています。それは、教会に不和やつまずきをもたらす人々についてでした。パウロはこの手紙の中で、分裂しそうになっている教会に和解の道を示そうとしていたはずではなかったでしょうか。しかし、ユダヤ人キリスト者も異邦人キリスト者も、自分の信念...

2024.11.10説教要約 ルカ 9:28-36 「これはわたしの子」

イエスさまこれからエルサレムに向い、そこで「多くの苦しみを受け、殺され、三日目に復活する」ことを予告しました。この話をした後、イエスさまと弟子たちが山に登って祈っていると、イエスさまの顔が変わり、衣が輝き始めました。弟子たちが見ると、二人の人がイエスさまと語り合っていました...

2024.11.3説教要約 コロサイ 2:20-3:4 「キリストと共に」

パウロは読者に対して、「あなたがたは死んだ」「復活した」と、それがまるで既に起こったことのように言います。彼独特の表現です。彼は終末におけるキリスト再臨の約束が確かなものだと信じているので、死や復活などの未来の出来事が今まさに身に起こっている出来事として受け止めているのです...

Comments


bottom of page